熊本県の北部、福岡との県境に近い山間の田園風景の中に点在する平山温泉。

皮膚病の湯治などで古くから親しまれ、江戸初期には熊本城主・加藤清正も訪れたと伝わり、その場所が現在「やまと旅館」のある所とか。

受付に向かう途中に薬師如来が祀ってあり、その下が源泉。
源泉から浴槽まで10mほどしか離れていないので鮮度が良く、内湯に入ると微細な気泡が湯面に舞い、粉雪のようなフワフワした湯の華も。

pH9.6の高アルカリ性でお肌を包む泡付き、さらに炭酸イオンが50mg程度含まれているので強いヌルヌル感があります。
ラドンも療養泉の基準値を超える14マッヘ含有。

湯上りはお肌が柔らかくなりツルツルに。
硫黄成分が血行を促進し、外に出てもポカポカ感が持続しよく温まります。

露天風呂はあたり一面高い杉の木に囲まれ静寂の境。
湯の流れる音と鳥たちの声しか聞こえず、手付かずの自然と一体になった気分です。

内湯がガツンと個性を感じられるのに対し、露天風呂は緑と湯煙に包まれ、ふんわりとした優しい硫化水素の香りが漂います。

館内の食事処「わらび」では、毎朝出来上がったばかりの温泉豆腐が食べられます。
元々豆腐やを営んでいた先代が温泉を使って美味しい豆腐を作りたいという思いから試行錯誤を繰り返し、7年の歳月をかけて完成。
温泉水で作った木綿豆腐は、どーんと存在感がありながら、まろやかでとろんとしており、大豆のうまみがぎゅっと詰まった濃厚な味です。
コースメニュー(2710円~)では温泉豆腐のお代わりもできます。

湯上りにおすすめなのがマンゴー豆乳プリン(390円)。
自家製の豆乳で作ったプリンは風味が感じられ、甘さ控えめでヘルシー、舌触りなめらかでパンナコッタのような優しい味です。
黒蜜豆乳プリン(300円)もあり、木綿豆腐ともどもお持ち帰り可。