阿蘇五岳の烏帽子岳の麓に湧く秘境の一軒宿。
古くから湯治場として親しまれ、3万坪の広大な敷地では四季折々の自然が楽しめます。
200年以上前の開湯と伝わり、江戸時代には熊本藩士だけが入浴を許されたとか。

明治中期に建てられた本館はあえて改築をせず、黒光りした床や柱には数えきれぬ人々を迎えてきた誇りが刻み込まれています。

5本の源泉を有し、すずめの湯混合源泉、たまご地獄・元地獄混合源泉、宿泊者専用の新湯源泉があります。
地獄温泉の代名詞・すずめの湯は混浴露天(女性宿泊者専用時間帯あり)で、湯船の底から自噴する希少な足元湧出。
生まれたばかりのお湯にダイレクトに触れられます。

ぬるめと熱めの浴槽は源泉が異なり、熱めの浴槽は開業当初からの歴史ある湯船と源泉。
単純酸性硫黄泉でpH2.6、総硫黄は37.1mg。
強い硫化水素臭があり、タオルや衣類についた匂いは洗濯しても取れないほど。

白濁したサラサラのお湯はマイルドで、お肌がコーティングされる感覚。
鉱泥で泥パックできることもあり、ワントーンお肌が明るくなった感じです。

混浴が難しい方は同じ源泉の内湯へ。

元湯は薄暗く赤茶色の年季の入って石造りの大浴場で、高温の源泉から留め升を経て適温になったお湯が注がれ、不揃いな湯の華が大量に舞い、薄灰色に濁っています。
弱いピリピリ感のあるpH2.5の酸性のお湯はレモネードのような味で、湯上りは一皮むけたように柔らかくツルツルで驚きます。

男性の露天岩風呂は藤棚、女性の露天風呂・仇討の湯は高台から桜や紅葉を愛でながらの湯浴みも。
全て酸性の温泉で、皮膚病や耐糖能異常(糖尿病)に効果が期待できます。

食事にもこだわり、料理長は京都の菊乃井で修業。
食事処の曲水庵ではランチのすずめ豆腐弁当をはじめ、日帰りプランも。夕食は鴨、鹿、猪の入った地獄鍋やいろり焼きなど、山ならではの恵みをいただけます。

※2016年4月の「熊本地震」により多大な被害を受け、同年7月現在休業中です。
再開時期は未定ですので、ご利用の際は必ず事前にご確認下さい。