江戸中期に発見され、明治維新まで島津家御用達の温泉として利用された湯川内温泉。
鹿児島県の北西部、名峰・紫尾山の中腹に湧き、眼下に出水平野、その先に天草の島影が望めます。

「かじか荘」は出水駅から車で15分ほど、ひたすら細い山道を上っていくと現れるひっそりと佇む一軒宿です。
周りにあるのは自然だけ。
そんな山奥の秘湯に数多くの湯治客や温泉ファンが足を運びます。

澄み切った空気に包まれて、春から夏にかけては河鹿の鳴き声が響きます。

「上の湯」と「下の湯」はどちらも希少な足元湧出泉、湯量豊富で浴槽からあふれ出ています。

上の湯は無色透明、下の湯はエメラルドグリーンで宝石のように美しく、無造作に置かれた岩や砂の間からプクプクとビー玉のように湧き出すさまは神秘的。
あまりにも透明度が高く、まるで湧水地のようです。

ほんのり甘い硫化水素臭と38℃ほどのぬるぬるとしたpH9.6のアルカリ性のぬる湯に包まれ、まるで天国にいる気分です。

シルクのように柔らかい肌触りで、お湯の中で手を広げても水の抵抗をあまり感じません。
心も体も空っぽになって無重力のように力が抜け、体が透けて透明人間になってしまうのではないかという錯覚さえ起こります。

湧出したばかりのピュアなお湯の細かい気泡が全身を包み、鮮度の良さを体感。
このピュアなお湯はパワーを秘めており、ジーンとしみ入る感じで徐々に足首や肘などの関節がジンジンしてきます。

ついつい長湯をしてしまいますが、湯上りは苦にならない適度な疲労感と爽快感があり、湯力を感じます。
良いお湯に出会った時は、いつも決まってこの感覚になるから不思議です。

殿方のお風呂の方がプクプクと沢山湧き出していてうらやましい!

この源泉を練り込んだ「湯川内温泉石鹸」(500円)は私のお気に入りで、蜂蜜、塩、ハーブオイルなどの天然素材も使って手作りされています。
泡立ちは良くないけど、自然な香りでしっとりとして突っ張らず、つるつるに。
石けんだけ買いに来る人もいるくらい人気ですよ!