日本の伝統文化に興味を持っている女性をぜひ連れて行って欲しいのがこちらのお宿。
“文化財の宿”は全国に幾つかありますが、ここはその第1号。
玄関や客室などのいたるところが国の登録有形文化財に指定されているのです。
江戸時代に会津藩上級武士の指定保養所となっていた「きつね湯」を引き継ぎ、明治6年に創業。
宮内庁の指定も受け、皇族をもてなした専用の棟は、現在「特別室」として一般の人も泊まれます。
江戸と越前の宮大工の合作だという数寄屋造りの建物は、雪に耐えられる強い骨組みと、くぎを使わない繊細な様式美を併せ持った、オンリーワンの名木造建築。
建築への知識がなくても、お部屋に案内される際に説明してくれますし、希望者には館内のガイドツアーもあります。
柱の木目や細工、窓や欄間のデザインまで、部屋ごとにこだわりがあり、当時の宮大工の心意気と遊び心に感銘を受けます。
黒光りするほど丁寧に磨き上げられた荘厳な建物がまさに主役です。
8世紀に行基によって発見された会津東山温泉ですが、開湯当時に11あった源泉はほとんど残っていません。
そのうちの1つがこちらの宿が所有する「きつね湯」。
今まで途絶えることなく、自然湧出しています。
泉質は硫酸塩泉。
ピターッと肌にまとわりつき、とろけそうな柔らかな浴感です。
保湿効果と還元力が高く、肌が生まれ変わったようにモチモチします。
他にも、高貴な気分にひたれる大理石浴槽の「さるの湯」、浴室ごとに天井の彫刻が美しい貸し切り家族風呂もあります。
お食事は会津郷土料理。
名物は鯉料理で、脂ののりがよくコリコリ食感がおいしい鯉のタタキ、24時間煮込んだ鯉の甘煮は初めての方でも食べやすいはず。
鯉はアミノ酸やコラーゲンが豊富なので、女性にオススメです。
お酒がお好きなら宿特製の日本酒「美酒佳肴」があります。
地元の蔵で宿の従業員も総出で仕込むのだそう。
これがまたお料理とピッタリなんです。
日本文化の素晴らしさを宿全体から感じとれる「日本の伝承」そのもの。
泊まるたびに“日本っていいな”と思ってしまいます。