近ごろは「創作和食」の旅館が増えていますが、たまには王道の和食を味わいたい! という人はこちらの「山荘天水」がおすすめ(^_-)-☆
天領日田の奥座敷、人里離れた1万坪の敷地の一軒宿で、あの「船場吉兆」にいた料理長と副料理長が腕を振るっているのです。
提供されるのはまさに伝統的な日本の和食。技術の粋を集めた料理の数々を目の前にすると、「一流の和食料理人はやっぱりすごい」と感銘を受けます。

一番感動したのは、「料理を絶対に冷まさない」という執念。
例えば、焼き物や天ぷらは鉄板だと冷めやすいので陶板にして炭火で温めたり、調理場から運んでくる時も客の目の前に来た時に適温になるよう計算。
だから、お椀もちょうど良い加減で、開けた瞬間に閉じ込められていたダシの香りがフワッと漂い、最高に幸せな気分♡

先付けの飾りや刺し身のツマも驚くほど繊細です。

食材は地元産にこだわるだけでなく、市や組合と協力して新たに開発も。
例えば、ホンモロコという魚は日本一おいしいとされる川魚ですが、その養殖にも成功しています。
七味唐辛子やちりめんじゃこ、朝のヨーグルトまで自家製。
一流料理人が手塩にかけた味を、泊まりがけでゆっくり楽しめるんです。

敷地はもともと杉林だったのですが、現オーナーが渓流や滝の美しさに魅せられ開拓。
さまざまな木々は植栽されたもので、常に四季を感じられます。

建物のコンセプトは大正ロマン。
古民家から譲り受けたステンドグラスや建具は実際に大正時代のもの。
ひとたび館内に入ると異空間に誘われます。
露天風呂や特別室、バーなどからは清流や滝を眺めることができます。
温泉は、自家源泉のかけ流し。
泉質は単純温泉で、ほのかに硫黄(硫化水素)が香り、サラッとした肌触りが特徴です。

19ある部屋は全てが露天風呂付きではありませんが、滝見露天や男女露天、宿泊者専用の内湯、貸し切り風呂も5つあるので、のんびりできます。
ご両親を連れて行っても、きっと喜ばれるはずですよ。

山荘天水
大分県日田市天瀬町桜竹601
Tel:0973-57-2424

出典『日刊ゲンダイ