私は温泉家としてメディアを中心とした活動をする傍ら、スプリングラボ合同会社の代表として温泉に係る事業に携わっています。

弊社では、温泉旅館やホテルなどのコンサルタント業務やプロモーション業務を中心に、泉質調査や温泉掘削などといった温泉にまつわる案件に対しての代理店業務を行うほか、行政や自治体などの温泉を軸とした温泉地全体の監修やプロモーション、温浴施設のプロデュースや開発コンサルティングなどを手がけています。

最近では山口県と大分県両県の温泉に関する監修もさせていただいております。

私自身、日本温泉気候物理医学会、日本温泉科学会など、いくつかの学会にも所属しておりますが、難しい専門知識を一般の方にもわかりやすいように咀嚼してお伝えするのも1つの役目だと感じています。

私の仕事はワインのソムリエと同じで資格をとったら終わりではなく、わずかな温泉成分の違いを五感で感じ取り、温泉分析データと照らし合わせながら研究し、経験値と技術力を身に着けていかなければなりません。

たとえば、ワインソムリエは、五感を研ぎ澄まして、気温や湿度までを考慮したうえで、お客様にワインを提供していますが、温泉もこれと同じで、1つひとつ違う温泉を見極めて適切な温泉資源利用の方法やPR方法などをご提案します。

そのために私は1年間に国内外300カ所以上の温泉をめぐっています。
4泊5日で50カ所以上の温泉に入ることもありますし、35時間歩き続けて登山しなければたどり着けない秘湯へ行くこともあります。

温泉は1つとして同じものは存在しません。
泉質やpHも違いますし、浴感や鮮度も違います。
ワインと一緒で味や香りも違います。
現在それを五感で見極めながら評価して、その結果をデータベースに蓄積しているところで、既に1,500カ所以上の温泉情報をデータ化しています。

今後は、温泉という日本の宝を皆様により身近に楽しんでいただくために、これまで培った経験とデータを活用していきたいと思っています。