以前私はドイツとオーストリアを訪問し、温泉資源をどのように活かしているか視察しました。
塩の坑道を利用した岩塩坑道療法や、ラドン坑道療法病院で体験したり、さまざまな健康保養地で温泉保養・療法を学びました。

このように、日本ではレジャー感覚で温泉に行く人が多い一方で、海外では温泉を健康増進施設として利用する人が多いのです。

しかもドイツの温泉療法は、基本的にドクターの処方せんがなければ入れず、ドクターはその人の症状を診て適切な温泉地を選び、治療プログラムを指示しています。
つまり医師や病院が温泉の効能を認め、活用しているのです。

それに比べ、日本は世界有数の温泉大国で、長い入浴文化の歴史をもつ国でありながら、現在では娯楽として利用するだけになっています。

温泉は天の恵みであり、循環水。
日本でも昔は祀りごとの禊に使われたり、聖なる水として病を治したり、戦国武将が傷を癒し湯治に使ったりと、入浴以外にも温泉は私たちの生活になくてはならないありがたい存在として利用されていたのに、活用しきれていないのはもったいないですよね。

しかし、最近では、こうした昔のあるべき姿に温泉を戻そうという動きも出てきており、環境省が「新・湯治」という言葉を使って、温泉を健康増進、疾病予防に活用する方向にシフトしたり、大分県の長湯温泉で、温泉や自然環境を活用した健康増進プログラムや関連施設の整備などを先駆けて取り組んだりと、温泉水の価値が見直されているのです。

今後、私達の宝である温泉の恵みを最大限に活かしていくには、温泉を核とした周辺の自然環境を生かし、地産地消の食、運動、交流、長期滞在させるためのアクティビティなど総合的なプログラム開発や整備すること
そして、温泉地へもっと沢山の方が足を運んでいただく事によって、温泉施設や旅館の後継者や働き手の人材不足という問題を解決していくことが必要になってくると感じています。

身近でありながら、まだまだ知られていない温泉の魅力。
私はこれからも温泉のすばらしさを伝え続け、温泉を通して皆様の健康や明るい未来に貢献していきたいと思います。