温泉家・北出恭子です(^^)/
 私は、国内外あわせて年間300湯以上、少なくともこれまでに1800ヶ所以上の温泉に入湯してきました。
 学生の頃は、低血圧・低体温で病弱だった私が、温泉を巡りだしてからはいつ風邪をひいたのか…ここ数年記憶にありません(笑)
 また、酷い肌荒れで悩み、高価な化粧品を使っていても毎朝鏡を見るのが怖かったのが、今ではほぼ何もしなくても肌トラブルがなくなりました。
 日本は、言わずと知れた“世界一の温泉大国”
 全国に約3000ヶ所の温泉地があり、2万7000ヶ所以上の源泉数を誇ります。
 湧出量(源泉から湧き出す温泉の量)や泉質のバリエーションも他に類をみませんし、こんなにも入浴文化が根付いている国もないでしょう。
 今回は、知ることで温泉旅行がもっと楽しくなる!「温泉の基礎知識」についてお伝えしたいと思います。

温泉とは?
さて、そもそも“温泉” とは一体何でしょうか?
温泉は、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、温泉法で定められた温度(25度以上)または、物質(19種の特定成分のうち1種類以上)を有するものと定義されています。
 つまり、地中から湧き出した温泉の温度が25度以上あれば、例え成分が無くても水蒸気でも温泉。
25度以下の冷たい鉱泉やガスであっても、19種類の特定成分のうち1つ以上含まれていれば温泉と認められます。
 さらに厳しい基準値をクリアした温泉は、治療の目的に有効な温泉として“療養泉” と呼ばれ、硫黄泉、単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、酸性泉、二酸化炭素泉(炭酸泉)、放射能泉(ラドン泉)、含鉄泉、含よう素泉の10種類の中から泉質名がつきます。
 それらは、泉質ごとにそれぞれ体へ与える影響が変わり、浴用と飲泉によっても適応(効果)が異なります。
 自身のお悩みに合わせて、泉質から温泉選びをしてみるのはいかがでしょうか?


温泉の効果
 温泉に入ると、よく温まった。肌がスベスベになった。
痛みが和らいだ。など、家のお風呂とは明らかに違うパワーを感じたことがあるのではないでしょうか?
 “温泉” といってもつくられる過程で様々な種類がありますが、火山性温泉の条件として、①熱源、②水、③経路がそろってこそ温泉がつくられます。
 雨や雪が降り地面にしみこんで地下水となり、マグマを起源とする熱で温められて、地震などでできた断層の割れ目などから温泉が湧出します。
その途中で、ガス成分や岩石成分を複雑に含みながら湧きだすため、バリエーションに富んだ温泉が出来上がるのです。
私たち人間が姿や性格が違うように、温泉も一つとして同じものは存在しません。
 温泉は、地球の循環水でギフト。
 雨が降って温泉として私たちが入浴できるまで、平均で50年から100年とも言われています。
 長いものだと数百万年前の海水起源の温泉まで存在するなんて何だかロマンを感じますよね。
 日本には昔から“湯治” という文化があり、私たちの心と体を癒してきました。
 何千年も前からずっと愛されてきた温泉には、健康維持に欠かせないたくさんの効果があります。


温泉旅行に出かけませんか?
 今回ご紹介したのはほんの一部ですが、まだまだ皆さんに知っていただきたい温泉の魅力や効果的な入浴法がたくさんあります。
 そして、自律神経のバランスを整え、心と体の健康を保つためには、朝日を浴びて軽い運動をし、しっかりと栄養をとるなど規則正しい生活リズムが大切です。
 温泉旅館に宿泊することで、自然の中や温泉街を歩いてみたり、バランスのよい食事を食べて温泉に入りリラックスしながら過ごすことができるので、忙しい現代人のセルフメンテナンスとして是非とも活用して欲しいですね。
 近年、日本でも温泉地を活用した“ヘルスツーリズム(健康増進につながる旅行・観光)” が盛んに行われはじめましたが、ヨーロッパでは現在でも、未病予防や健康増、美容のため積極的に温泉保養地を利用しています。
 娯楽として温泉を楽しむのはもちろんのこと、いつも頑張っている自分の心と体のリセットに…大切な人の健康維持のために…この冬は、ゆっくりと温泉旅行へ出かけませんか?