2015年の夏にタイの温泉に行った時の話です。

そこで友人と一緒に水着で温泉に入っていたら、現地の長老的な人から「どこから来たんだ」と声をかけられました。

日本から来た事を伝えると、体に良い入浴法や、その温泉の由来について教えてくれました。

実はそこは戦時中に日本兵が見つけ、湯治に使っていたらしいのです。
どうして日本人がいつも元気だったのか、不思議に思っていた現地の人たちは、この温泉の存在に気づき、入り方に工夫をしつつ、現在まで大切に守り続けてきたと言います。

温泉の良さが国を超えて理解され、時間を超えて大切に守り続けてこられてことに、感動を覚えました。

九州で思い出深い温泉といえば「豊礼の湯」です。

豊礼の湯は青くて美しいお湯、それに温泉に入ったまま雄大な景色を眺められるところ、そして24時間入れる利便性が気に入っていたので、よく仕事帰りに来ていました。

ある日、たまたま仕事でうまくいかない事があって悩んでいた時に、1人でこのお湯に浸かって自然を眺めながら物思いにふけっていると、大自然を前に自分がちっぽけに思え、お湯で禊をして心身ともに洗われたようにデトックスでき、自然からパワーを注入して心が晴れ、すっきりして前向きになれました。

以来、毎年一湯目(最初の温泉)は必ずここに入り、満天の星空を眺めながらその年の目標を定めたり、疲れた時や迷った時、何か大きい転機には、この温泉に足を運んでいます。

「転地効果」と言いますが、環境を変えてみることで、自分を見つめ直したり、気持ちをリセットさせることができますし、温泉自体にも精神的な不調に対する効果があります。

温泉は体を癒すだけでなく、心も癒してくれ、明日への活力を生み出してくれます。

どのような温泉が自分と相性が良いのか、それは温泉に個性があるのと同様、個人個人で違いがあると思いますので、皆様にもそのような心のよりどころとなる温泉を見つけてほしいと思います。