国民保養温泉地・雲仙温泉の歴史は古く、大宝元年(701)に行基が開湯のきっかけをつくったと伝わります。
明治期から外国人保養地として栄え、ゴルフ場やテニスコートも極めて早い時期に造られ、昭和9年(1934)には日本で初の国立公園に指定されました。

メインスポット・雲仙地獄横の「いわき旅館」の前身・高来ホテルは明治20年(1887)、外国人専用の保養所として開業。
130年近い歴史をもつ老舗です。

特筆すべきは雲仙温泉で唯一、自家源泉(自然湧出)が敷地内にあること。
泉源から空気にほとんど触れずにダイレクトに浴槽へ注がれ、加水・加温一切無し。
毎日湯量で温度調節していますが、雨の多い時期や夏は湯温が下がり、冬は高め。
季節によって多少温度差がありますが、これも自然湧出ならでは。

日本温泉協会の審査では全項目満点評価の最高点を獲得。

内湯(立ち寄り入浴可)と露天風呂には細かい白い湯の華が大量に舞い、しっかりとした硫化水素臭のする白濁の湯で「ザ・温泉」といった感じです。

pH2.4の酸性でアルミニウムとカルシウムを多く含み、総鉄は20.9mg、総硫黄は96.6mg。
マイルドでまろやかなお湯ながら、ピリピリとして刺激が少しあり、お肌が引き締まるようなキュキュっとした浴感です。

成分総計は1930mgで数字を見ると特別濃くはないのですが、ガツンとした個性とパワーが感じられます。

硫黄泉は毛細血管を拡張して血流を良くし、同様に血行を促進する遊離二酸化炭素も853.1mgと多めなので、とにかくよく温まり全身ポカポカに。

また湯気を吸入すると痰の切れが良くなり、殺菌効果が高いので皮膚病に対する効果が期待できます。
ただし刺激が強いので、お肌が弱い方はシャワーで洗い流して上がるとよいでしょう。

湯上りには雲仙の自然と外国人避暑地として育まれた温泉レモネード(250円)を。
すぐ隣の温泉神社や雲仙地獄の遊歩道、小地獄温泉や共同湯にもぜひ!