明礬温泉は別府市街から少し離れた地熱地帯にあり、江戸時代から明礬(湯の華)が採取されてきた山のいで湯。
シンボルの藁ぶきの湯の花小屋が立ち並び、湯煙と硫化水素臭が立ち込めています。

白濁したお湯は硫黄泉と酸性泉が主。
別府でもとくに温泉らしさを感じられるエリアで、眺めも抜群です。

「豊前屋旅館」は明礬温泉の中でもさらに山際にある家族経営のアットホームな宿。

こぢんまりとした檜の内湯のみで、源泉かけ流し100%の青みがかった高温の濁り湯が、竹の湯口からチョロチョロと注がれています。

源泉へは山道を歩いて5分ほど。
そこは硫化水素臭の漂う草木が生えていない真っ白な地獄地帯。
天水(雨)が地盤の温かい地獄を通り、自然に熱せられて温泉に。
硫黄泉となったお湯が白い川となって斜面を流れています。

そんな自然がつくり上げた極上のありがたい自然湧出泉に入ることができるのは、毎日欠かさず地獄へ行き、その日の環境に合わせて温度を調整しているご主人のおかげ。

硫化水素ガスたっぷりの単純硫黄泉で常にガスが充満しているため、中毒にならないよう、換気が必要。
タイルやセメントはすぐに剥がれてボロボロになるそうです。
硫化水素ガスは血行を良くし、痰を取り除く作用もあるので、呼気からも吸収を。
また、殺菌作用も強く、皮膚病にも効果的。
メラニンを分解するので、美白やお肌の弾力アップも期待できます。

明礬温泉には、酸性の硫黄泉が多いのですが、ここは人間のお肌と同じ弱酸性。
湯力に反して浴感はマイルドで、お肌をやんわりと包み込みます。

細かい粉雪のような鉱泥の湯の華がたくさん舞っていて、湯上りはパウダーでコーティングされたようにサラサラに!
ただし、濃厚なお湯の為、長湯にはご注意!
1回入るとファンになり、とにかくリピーターが多いのです。

温泉好きなら必ず唸る湯ですが、入浴の料金は350円とリーズナブルなのが嬉しいですね。